2025-06-25
南省長沙市にある中国ECサイト「キリモール(Kilimall)」の本部。(5月28日撮影、長沙=新華社配信)
【新華社長沙/ナイロビ6月24日】中国の医薬品メーカー、湖南爾康製薬の馬弼君(ば・ひつくん)副総経理はこのところ、タンザニアの製薬工場の年内稼働に向けた準備に追われている。馬氏は「アフリカにはチャンスがあふれており、航空券がとりづらくなっている」と語り、航空券のとりづらさとアフリカへの訪問者数の多さは、中国とアフリカ間の経済貿易協力に対する熱意が高まっていることを如実に表しているとの見方を示した。
中国南方航空の広州(広東省)-長沙(湖南省)-ナイロビ線は2019年の就航以来、累計の旅客数が延べ22万7千人となり、現在も週3便の安定した運航を維持している。同社は観光シーズンの旅客輸送需要を満たすため、今年の夏はナイロビ―広州間の直行便を新たに運航する計画だ。
中国とアフリカ間の経済貿易協力は力強い勢いを見せ、分野が絶えず拡大している。ケニアのコーヒー豆は直行便を使い、わずか3日で長沙市内の総合卸売市場である高橋大市場のアフリカコーヒー取引センターに運ばれる。アフリカ産コーヒー製品は中国進出のペースを加速させており、今年第1四半期(1~3月)の対中輸出は前年同期比70・4%増加した。
湖南省長沙市にある中国の医薬品メーカー、湖南爾康製薬の本部。(5月29日撮影、長沙=新華社配信)
アフリカコーヒー取引センターにはアフリカ産コーヒーを取り扱う長沙発のコーヒーチェーン「小珈主」の店舗があり、エチオピアやケニアなどアフリカ各国から輸入したコーヒー豆を用い、30種類以上のドリンクを提供している。創業者の景建華(けい・けんか)氏は「今はオンライン取引プラットフォームを通じてアフリカのコーヒー農園主と直接やりとりをし、取引のプロセスを簡素化することでコストを削減している」とし、コーヒー市場はここ数年、非常に好調で、24年の同社のアフリカ産コーヒー豆輸入量は前年比30・0%増えたと明かした。
アフリカがグリーン化を継続的に推進する中、23年の中国製新エネルギー車(NEV)のアフリカ向け輸出は前年比3・9倍、リチウム電池は2・1倍、太陽光発電製品は57・0%増と大幅に増加した。
湖南省長沙市にある中国の医薬品メーカー、湖南爾康製薬の本部。(5月29日撮影、長沙=新華社配信)
電子商取引(EC)経済のブルーオーシャンとして、アフリカ市場は大きな活力と潜在力をみせている。中国EC大手のアリババ・グループや拼多多(ピンドゥオドゥオ)、中国初のアパレルECブランド「SHEIN(シーイン)」などがアフリカ市場に進出し、中国とアフリカの間に「デジタルの橋」を架けている。
中国とアフリカ間の経済貿易協力が持続的に拡大し、貿易の規模はますます大きくなっている。中国税関総署が6月初めに発表したデータによると、1~5月の中国とアフリカ諸国間の貿易額は前年同期比12・4%増の9632億1千万元(1元=20円)で過去最高を記録した。未来を見据え、経済貿易分野の双方間の往来は絶えず新たな活力を発揮し、双方の人々が発展に伴う利益を共有できるようになるとみられる。
記事出処:新華社