2025-06-12
国家統計局のデータによると、5月の中国の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%低下、前年同月比0.1%低下となった。一方で食品・エネルギー価格を除くコアCPIは前年同月比で0.6%上昇し、上昇幅が前月より0.1ポイント拡大した。CPI全体は小幅な下落を示したものの、一部分野で需給関係が改善。価格変動が3つの積極的シグナルを発信している。
●シグナル1 「中核安定」の物価構造が明確に
CPI低下の主因はエネルギー価格の低下だ。5月のエネルギー価格は前月比で1.7%低下し、CPIの前月比低下分(約0.13ポイント)の約7割を占めた。食品・エネルギーを除くコアCPIが前年同月比で0.6%上昇し、上昇幅が0.1%拡大したことに要注目だ。物価の「中核」が安定している構造が明確となった。
●シグナル2 サービス価格が文化観光の好調を反映
統計では、5月のホテル宿泊料金は前月比4.6%増、旅行料金は同0.8%増と季節平均を上回り、宿泊料金の上昇率は過去10年の同期で最高を記録。
前年同月比では、レンタカー料・航空券・旅行料金がそれぞれ3.6%・1.2%・0.9%増と、ともにプラス成長に転じた。
その背景には観光市場の活況がある。文化・観光部のデータでは、メーデー連休期間の国内旅行者数は前年同期比6.4%増の3億1400万人で、消費額は同8.0%増の1802億6900万元に達した。
●シグナル3 需給両面で新たな良い変化
先行指標となる生産者物価指数(PPI) が一部分野に積極的な変化があったことを示している。
専門家の分析では、前年同期の基準値が高かったことなどの影響で、PPIの前年同月比の下げ幅は前月より0.6ポイント拡大したが、マクロ調整政策の実施強化に伴い、一部業界の需給がやや改善した。製品価格は次の2点で好転している。
まず、消費をけん引する原動力が絶えず強化されている。
次に、ハイエンド装備製造などの産業の発展が好調だ。
国家発展改革委員会投資研究所総合研究室の杜月主任は、「製品価格の前年同期比上昇は、ハイテク製品の需要が拡大傾向を維持し、関連業界のハイエンド化、スマート化、グリーン化のモデル転換が進んでいることを反映している」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年6月11日