楚文化
湖南では、目下すでに3,000あまりの楚人の墓、10,000あまりの漢墓が発掘された。昔の中国の銅剣、毛筆、天秤、繒書、帛画、皮革鼓、竹簡、漆器、長さが3メートル以上の武器、越式青銅楽器及び200余りの壁(ガラス器)等が出土した。
古楽
乾嘉時代に、湖南省の瀏陽にいた楽器演奏家の邱之睦氏が瀏陽文廟の「古楽」を受け継ぎ、更に発展させ、早くから姿を消した中国古楽の「八音」中の「瓠音」を補った。
絵画
長沙の絵画は歴史が長い。楚漢時代の帛画の中にすでに素晴らしい作品が生み出されている。北宋時代には長沙出身の画家である易元吉がたいへん人気を集め、招聘に応じ王宮に入った。
学府
紀元976年に創立された岳麓書院は、北宋時代には中国で最も名高い四大書院の一つとして認められていた。清末には湖南高等学堂という名称となり、その後湖南大学と改称された。設立以来、衰えることなく世界においても歴史の一番古い大学としてその名を知られている。楚だけでなく中国全土の政治、経済、思想、文化に大きな影響を与えた。
行事と風俗習慣
湖南省の人々、特に臨江の人々は端午の節句を重んじている。毎年、この日になると、人々は玄関のところにヨモギの葉や菖蒲をかけ、塩漬けにした卵や粽を食べたり、川辺へ「賽竜舟」(竜の形に飾った舟のレース)を見に行く。端午の節句の舟のレースは、湖南省の岳陽汨羅に源を発し、愛国詩人の屈原を記念するために行なわれてきたという。
また、張家界には少数民族が多く、民族風俗が色濃く保存されている。特に当地の結婚式は妙趣に満ちたものである。また、張家界の民族舞踊もすばらしい。鮮明な地域の特色があり、郷土色豊かかつ多種多様な踊りの形で人々の目を楽しめている。さらに、当地の伝統的武術も名高く、特にトウチャ族の武術が注目されている。
地方劇
湖南の地方劇は、主として「大劇」(規模の大きいもの)と民間の「小劇」(規模の小さいもの)に分かれる。劇の種類は17個、芝居の種類は5000以上になっている。そのうち、特色のあるものは湘劇、祁劇、衡陽湘劇、武陵劇、辰河劇、荊河劇、巴陵劇、湘昆などが挙げられる。民間の「小劇」には、「花鼓劇」、「花燈劇」及び「陽劇」があり、特に花鼓劇と花灯劇が人気がある。
彩磁器
イギリスのオックスフォード大学及び日本、朝鮮等にある博物館には、“天下第一”、“天下有名”という文字の入っている中国彩磁器が展示されている。これらは全て、唐時代の長沙窯から出土したものである。これらにより中国の陶磁器の歴史に画期的変化をもたらしたことが国内外の専門家により認められている。