中国製モデルのオープンソース化、世界AI発展の新たな道を切り開く

  中国テック企業によるモデルのオープンソース化の動きはこの半月ほどの間、まさに「着々と」進行中だ。

  アリババは今週、AIモデルのオープンソース化で「3連発」を達成した。クラシックな基礎モデル分野では、7月21日に「Qwen3-235B-A22B-Instruct-2507」（ノンシンキング版）モデルをオープンソース化し、多くのベンチマークで「Claude4」（ノンシンキング版）などのクローズドソースモデルを上回った。AIプログラミング分野では、7月23日に「Qwen3-Coder」モデルをオープンソース化し、世界最強のプログラミングモデル「Claude4」に「匹敵する性能」を保有している。7月25日には「Qwen3」推論モデルをオープンソース化。これは大規模言語モデルの推論限界を拡大した「通義千問」（Qwen）チームの新たな成果だ。

  月之暗面（Moonshot AI）は7月11日、「Kimi K2」モデルの正式リリースと同時にオープンソース化を発表した。このモデルはMoE（Mixture of Experts）アーキテクチャを採用し、総パラメータ数は1兆、活性化パラメータは約320億。「エージェントの潜在能力」に優れ、高いコーディング能力を特徴としている。

  さらに、「予告」を行った企業もある。階躍星辰（StepFun）は7月25日、次世代基盤大規模モデル「Step3」を発表した。これは同社初のフルサイズ・ネイティブマルチモーダル推論モデルで、7月31日に全世界に向けてオープンソース化され、ユーザーがモデルをプライベートデプロイできるようになる。

  今年1月にDeepSeekがオープンソース大規模モデル「DeepSeek-R1」を発表して以来、中国のテック企業はオープンソース戦略を着実に推進している。

  清華大学人工知能国際ガバナンス研究院の梁正副院長は、「中国テック企業のオープンソース戦略は、中国がAIの発展経路において米国とは全く異なる道を歩んでいることを示している。つまり、中国はオープンソースを通じて世界のAI技術の普及・共有を促進し、開放的で包摂的な産業エコシステムを育成し、国際的な科学技術協力の構図を再構築している」と指摘した。

  中国製モデルのオープンソース化は世界の注目を集めている。米NVIDIAの黄仁勲（ジェンスン・フアン）CEOは、「中国のオープンソースAIは世界の進歩の触媒であり、各国や各業界にこのAI革命に参加する機会を与えている。また、オープンソースはAIセキュリティ確保の鍵であり、技術標準、性能基準、安全対策に関する国際社会の協力を促進するのにも役立つ」と述べた。

  梁氏によると、中国が提唱する「オープンソースエコシステム＋クローズドソースコア」のハイブリッドモデルは、技術共有と商業的価値のバランスを強調している。オープンソースは無料ではないが、エコシステムの協力を通じて市場全体のパイを大きくするものだ。この過程において、中国は「オープンとウィンウィン」の理念を通じてAI応用のハードルを下げ、グローバルサウスがAI革命に参加するための新たな道筋を提供しているという。

  梁氏の見解では、米国のテック大手が「オープンかクローズドか」というゼロサムゲームに悩んでいる間に、中国はすでにオープンソースを通じて「技術共有、エコシステム共同構築、価値共同創出」という新たなパラダイムを構築している。このパラダイムは中国経済の質の高い発展を促進するだけでなく、グローバルサウスがAI革命に参加するための架け橋となっている。梁氏は「将来、中国のオープンソースエコシステムが絶えず改善されるにつれ、よりオープンで、包括的で、協力的なAI時代が到来しつつあると確信する理由がある」と述べた。

  「中国網日本語版（チャイナネット）」2025年7月28日